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肌に押し付けては離す。その唇から漏れる吐息が震えて止まらない。
グレイの手はルナの腰を這いながらゆっくりと大腿を押し上げていた。
もとは華奢でありながら、20歳となったルナの躰は微かに少女から女らしい肢体にへと柔らかみを纏っている。
グレイの長い指が滑らかな肌を伝い、言葉を交わす代わりにふと見つめ合う。
ルナはグレイのその瞳につい恥ずかしさが浮かんで顔を逸らした。
「何故逸らす…」
「べつに…っ…」
覗き込まれ、頬が熱を持ち、ルナは咄嗟に赤い顔でそう答えた。
「ルナ…」
小さく囁く
「ルナ……」
「……っ…」
「何故俺を見ない?」
優しい声で様子を窺うように聞かれてルナは尚更グレイを見れなくなっていた。
顔を向けなくても何となく気配でわかる。
グレイは確かに笑っている。
顔を背けたままのルナを覗くようにしながら、とても優しい瞳で見つめている。
「ルナ…」
「ふ……っ」
急にルナの目頭が熱くなった。
横を向いたまま、ルナは何故かまた顔をくしゃりと崩して涙ぐむ瞼を腕で覆い隠す。
「どうした?」
「ううっ…」
泣き声を堪えたルナの唇が歪む。そしてルナは覆い被さったまま覗き込むグレイの肩を急に叩き始めた。
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