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「───…っ…」
胸が騒ぐ──
どうしようもない程に締め付けて甘い痛みを与え続ける。
グレイの見つめる瞳にルナは何も言葉が見つからなかった。
アイシテル──
そんな想いが溢れ、グレイの細めた切ない眼差しがルナを射抜く──
あんなに傲慢で虐げるだけのグレイからは想像もできないその表情にルナは息を飲み、目を逸らすことができなかった。
名前を小さく囁きながら、グレイの顔がゆっくりと傾いていく──
小さな後頭部を支えられ、ルナはそれに応えるように見開いていた瞳を閉じていた。
今まで交わしたことのないようなキスがルナにそっと注がれる。
荒々らしくもなく、溢れてくる想いをゆっくりと注ぐその唇にルナは幸せな溜め息をホッと口から溢していた……
何度も軽く重ね合い、唇の情交を繰り返す。
それは、グレイのことを想い始めたルナが一番、グレイに求めていた行為でもあった……
「そんなに嬉しいか…」
グレイはふっと瞳を緩め、ルナの頭を抱き寄せて耳元で優しく囁いた。
ルナの胸の甘い疼きが伝わりグレイの胸を温める。
なんともこそばゆく、口にできないこの感情。
それが堪らなくグレイの心を躍らせる。
そして、こんな気持ちを味わうのも実に心地がいいとグレイは思っていた──
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