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「…本当は花嫁選びのパーティーの時にプロポーズをする予定だったが、予定狂いまくったな」
「え…あ!パーティー中に突然カイル様に何も言わずに私…。本当にごめんなさい…」
「謝らなくていい。あの時の事はジイに聞いている。あの時…アリスが自分の意思で俺の元から離れたのであれば無理矢理連れ戻せねぇし、どちらにしてもあの親子について調べる必要があってな…時間が掛かってしまってすまなかった。こんなアザを作らせてしまって…。俺達の式はアリスのアザが治ってから挙げよう」
「そんな…私の都合に合わせていただくわけには…カイル様のご都合もありますし…」
カイル様との大事な一生に一度の結婚式。
こんなアザだらけの身体ではなく、綺麗な体で挙げたいとは思うけれど、カイル様は一国の王子様だ。
王子様の花嫁選びのパーティーの後は、相手が決まり次第すぐに結婚するのが暗黙の常識。
なので、既に決まっている相手を招待する事が多いそうで…。
ウエディングドレスの形は限られてしまうけど、アザは隠せるし…
「式の日程の調節は俺が何とかする。女は皆ウエディングドレスに憧れるものだろ?アリスにとって最高の日にしたい…」
「カイル様…」
こんなにも優しくて…素敵なカイル様に想ってもらえるなんてすごく幸せで自然と涙が溢れてきた。
すると、カイル様は優しく抱き寄せてくださった。
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