3 笑顔と過去と、君の声。

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「ちょっと!適当なこと言わないでください!」 「へ?俺なんか問題あることした?」 「大きくあったでしょ!」 「そうだったっけ」 夏川は明日香と並んで歩く。明日香の怒りをのらりくらり避けながら二人は明日香の家に向かっていた。 「だって明日香ちゃん、あんまり話したくなさそうだったし」 「それは…」 明日香の手が止まった。夏川も足を止める。 「図星だね」 顔を覗き込む夏川。明日香は目を逸らすように俯いた。 「よくわかんないけどさ、嫌なら嫌ってちゃんと伝えなきゃ。明日香ちゃんだって気持ちを伝える手段いっぱいあるでしょ?ねぇ、会長さんと何のはなし…」 夏川が言葉を言い終えなかったのは後ろで足音が聞こえたからだ。夏川は振り返り、明日香は正面から走ってくる影を見つめる。
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