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(心臓に悪い、ホンマ……)
まさか昨日エミが立てたフラグがイキナリ回収されてしまうのかとヒヤヒヤしてしまったではないか。
ぐったりと頬杖をついて渉と颯真の会話に耳を傾けながら休憩していたら、今藤も合流していつものワイワイした空気が作られていく。
「なぁなぁお好み焼きパーティーする!?」
「こだわるなぁそれ」
「なに、そんな旨いの?」
「旨い。最高」
「……でもお前今日22時までバイトやろが。さすがにそんな時間からパーティーとか近所迷惑やし、違う日ぃにせぇ」
素っ気なく却下したら、ちぇっ、と拗ねて唇を尖らせたものの
「じゃあ今度! 今度絶対しよう!」
すぐに元気にそう笑う。コイツは本当に表情が豊かだ。それに釣られたようにみんなが笑うのもしょっちゅうで、ムードメーカー的な存在でもあるから余計に惹き付けられるのだと思う。
「分かった分かった、今度な」
「そんでさ、そこに颯真の彼女連れてきたらいいじゃん! 稔もエミ連れてきてさ! エミも今度呼んでって言ってたけど、女の子一人ってやっぱ可哀想だし」
「えぇ……いいよ、それは。……エミがいたって初対面てことには変わりないんだし。……人見知りするタチだからそういう場所には呼びません」
キッパリと断った颯真にまた口を尖らせた渉が、机の下で床を蹴りつける。
「ちぇ~っ。颯真の彼女だから、きっと可愛いんだろうなぁ。いいなぁ」
「昨日からどしたのホントに」
苦笑いしながら首を傾げる颯真に、だってさ、と不貞腐れた声で呟いた渉がイジイジと続ける。
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