鬼ヶ崎家の監視人

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『俺たちはそういう家に生まれたんだ。』 伊織の言葉が花の頭の中でもう一度ささやく。花の胸にもやもやとしたものが生まれたが、なぜそんな気持ちになるのか花にはうまく説明できなかった。 「私は家族とは違う。」 つぶやいた声は誰の耳にも届くことはなかった。いつの間にか玄関前には部活の朝練を終えた生徒や、登校してくる生徒であふれかえっていた。もうそんな時間だったのかと、花は足早に自分のクラスへ向かっていった。
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