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雲ひとつない真っ青な空だった。
「きれいな空。」
理美は思わず呟いた。遮るものは何もなく、
紺碧の海が水平線の向こうまで続いている。
「ああ。」
賢一は頷いた。二人で海を眺める姿も、
呼ばれて振り返った瞬間にもシャッターが
切られた。
女性スタッフが白いサテンを湘南の海の
色に似たブルーで縁取ったリングピローを
差し出した。賢一がリングを手に取り
理美の左手の薬指にはめた。次に理美が
賢一の左手の薬指にリングをはめた。何の
変哲もない甲丸のプラチナリングの内側
にはK to R、R to Kとそれぞれ刻まれて
いる。
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