プロローグ

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「お姫様になりたいの」 例え少女が言ったとしても引いてしまう。 そんな言葉を、ある日俺が出会ったあの子は恥ずかしげもなく言ってのけた。 捨て猫みたいにそこに居て、思わず手を出したのが運のツキ。 多少は懐いてくれるけど、それも多少で全く従順になったりしない。 挙句の果てに、噛みついたり、引っかいたり、勝手にどこかに行ったりする。 「世話好きだね」 なんて、お前は笑うけどさ。 俺はこれでも次期代表だし、結構やることもあるんだよ? 不器用は不器用なりに考えることも色々あるし、元々俺は気が弱いんだ。 お前がプリンセスになりたいのなら、俺は王子にならなきゃいけない。 きっと、そういうことなんだろう? 全く、勘弁してくれよ。
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