●プロローグ

2/6
前へ
/145ページ
次へ
「あんた何考えてるの?」  そう尋ねる女子生徒は、泣いている女子生徒の背中を撫でながら言う。見知らぬ女子生徒に空き教室まで呼び出されて、怒られている。  強いて言うならこの人達は、誰なんだろう? って考えているけど。 「いや、特には……今は何も考えてないけど」 「そういうこと言ってんじゃないわよ!」  じゃあ、何だって言うの。何考えているのかって訊かれたから答えたのに、そういうんじゃないって言われた。  面倒くさいな。  言葉の代わりに溜め息を吐くと、女子生徒は机を叩いた。 「何なのよ、その態度!」
/145ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加