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め……るの……
めざ……ので……
……
……
……目覚めるのです。
何処からか声が聞こえてくる。
眩しい光に包まれ、私はゆっくりと瞼を開いた。
「お待たせしました、あめさん。私は……」
目を疑った。
ベッドから体を起こすと、30センチほどの小さな雲に乗った、キラキラと光るタコが視界に入る。
「夢……」
「ああ、待って! 夢ではありません。私は神聖な祭りを司る神……あなたの功績を称えに来ました」
「神……様? 私のところへ来てくれたの? 嬉しい!」
初めて喜ばれたのだろうか? 大げさに反応したら、神と名乗るタコは嬉しそうに墨を吐いている。
「こちらへどうぞっ」
私は笑顔を振り撒き、特別な場所へと案内した。ドアを開けると、タコは勢いよく飛び込んで行く。
その先は……
……
……
……外だ。
玄関から追い出す事に成功した。
「最近のドローンって、話が出来るのね……」
秋の早朝は肌寒い。私はベッドに潜り込んで夢の世界へと戻った。
【完】
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