やっぱり現れた!

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「あっ、ごめん。言いすぎちゃった。じゃあ、何か別の可愛らしい物が欲しいな。そうね……洋服……いや待って。あなたはバニーの衣装とか渡してきそうね。えっと、お花……可愛らしいお花が欲しいわ」  これなら当り障りのないプレゼントだ。お花は嬉しいし、タコ様にも帰って貰える。 「お花? 私の頭の中はいつもお花畑ですよ。チューリップでしょ、タンポポにパンジー、それらが幻想的に……うぉぉぉぉぉぉぉ!」  ……  …… 「えっ?」 「あめさんが描かれる幻想的なイラストを思い出して、興奮してしまいました。アハハハハ……」  タコが嬉しそうに墨を吐いている。 「何をしに来たの!? もう何もいらないから、用が済んだのならお帰り下さい」  再び神はショボンとした。 「先日、小説投稿のイベントで大賞を取りました。私には分不相応な名誉と賞金が手に入ったのです。お小遣いが月30円の私は狂喜乱舞しました。そこへ妻がやって来て『レナは来年小学生でしょ? ランドセル買うからね』と言って賞金を取られました。そして『はい、お釣り』と手渡されたのは120円でした。悲しみの余り外へ飛び出し、自販機でコーヒーを買おうとしたら10円足りず、公園のブランコに座りながら星空を眺めていました……」 「なんの話!? 悲し過ぎるよ! 誕生日にそんな話しないで! それに、凄い能力を持ってるなら、自分に使えば良いじゃない!」 「自分には使えないのです。皆さんを幸せにする能力なので……」 「……そうなの? ゴメンね。その気持ちだけで十分だよ」  これ以上、関わり合うのは危険だ。私は天使のスマイルでタコを追い返そうと試みる。
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