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幼い王と、三人の姉姫を連れた旅団の出立は壮大なものだった。
城、街を抜け、広野に出たころ、耳をトントンと叩きレイレスはぼやいた。
「あのラッパ、なんとかならないのか…」
先頭の馬に就いたレイレスの背後で、青年が笑う。
「本当なら、楽団ごと旅に出るものですよ」
本当か、とレイレスが振り返ると、笑った青年はそのまま頷く。
青年の名はシューフ。王国に数ある中でも一番若い騎士団の長である。年は、レイレスとほぼ同じ様に見える。実際は、レイレスが年上なのだが。
「それより、よいのですか?」
シューフがふと真顔になった。
「何がだ?」
「姉姫様ですよ。先ほどからレイレス様をお呼びになられているようですが…」
姉姫、と聞いて、レイレスはグッ、と息を止めた。
「いや…姉上は」
「どうなさいました?」
「お前、私が姫の様な形をしていたら…どうする」
「姫…ですか?レイズクライムレス様ほどなら、それは姫であろうと美しいと思いますが」
真面目に答えるその顔を見て、暫しレイレスは沈黙し、首を振った。
「ならぬ!断じてならぬぞ、シューフ!」
「はっ、…は?」
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