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今、午後4時…
地下鉄に乗っている僕は小学生時代のことを思い出していた
放課後、近所のケンくんと秘密基地に集まった
そこは車庫の裏で地層がむきだしになっている場所だった
地層は地球の歴史を刻んでいる
まだ現実を知らず、夢の世界で遊べる少年時代、未来の冒険をケンくんと夢見た
時は移った
ケンくんと会うことはなくなった
少年の日のような夢を見ることもなくなった
放課後もなくなった
だが僕は、地下鉄のホームに下りてくる人を見てふとあることに気づいた
ここは地底世界なんだと
地球の歴史が刻まれた未知なる空間なのだと
そう考えただけで、窮屈な現実から少し解放された
地下鉄に乗ってる時、僕は地底旅行をしている
そう思うだけで心に夢がよみがえった
夢は少年の日のまま、今も続いているのだ
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