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「分かった。明日な」
サラが覚悟を決めようとするくらい、俺のことが好きなんだって分かっただけで、かなりニヤける。こんなにもこの子は、俺のこと想ってくれてたんだって実感する。今はそれだけで嬉しい。
「あ、あの。アスタ……」
また忙しなくサラの目が動く。アスタが首を傾げると、彼女は躊躇いがちに彼の服を掴んだ。
「き、キスしたい」
アスタは目を瞬かせる。
「…………ベットで言う?それ?」
サラは慌ててベットから下りようとする。アスタはそれを捕まえて、一緒に倒れこんだ。サラが慌てて身を起こすのを、下から腕を押えて捕まえる。アスタがサラに押し倒されるような格好になった。
サラが目を剥く。アスタは目を細め、彼女のうなじに手を伸ばした。
「……いくらでも」
誘うように笑えば、サラは緊張しながらも、彼にキスをした。アスタは身を引こうとした彼女を捕まえて、またキスをする。
――これからも何度もヤキモチを焼いて、嫉妬して、俺はその度にふてくされるんだろう。でも、そうなった時は、サラにとびっきり甘えることにする。さんざん甘やかしてもらって、俺のこと大好きなんだなって自覚して、それから俺も、さんざんサラを甘やかしてやろう。
「サラ」
でも、まだ甘えたりない。
「……もう一回」
愛しい彼女に、彼はアンコールをした。
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