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「うわあぁぁ!」 突然の慣性に逆らえず、前方に投げ出される私。 幸いなことに進行方向とは反対の端に座っていたので誰もいない座席に体を打ちつける形になった。 とはいえ、その際に頭を打ったか、横たわりながらもめまいにおそわれる。 横転し歪んだ世界の中で、私はひどく混乱していた。 ーーいったいなんなんだ? 何らかの事故ならアナウンスが入るだろうと、聞き耳をたてるも、一向にその気配はない。 次第に回復する脳しんとうと視界。 目の焦点が合い始めると、そこには奇妙な光景が広がっていた。 床には四方に飛び散ったガラスの破片。 その上に目をやると、所々の窓からは刺立った木の枝が、 ガラスを突き破り車内へと侵入している。 ーーなんだ、これは……。 どうやら私の倒れた所は、たまたまガラスが割れてなかったようだ。 これがガラスの上だったら、たとえ座席に倒れていたとしても、 大怪我を負っていたに違いない。
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