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あとがき
この作品は筆者が書いたものの中で、もっとも筆者の体験を全面に押し出した物です。
本作の舞台は都会の地下鉄ですが、筆者が日々利用している路線をモチーフとしております(作中に登場する「沼頭小川」という駅は実名の駅からヒントを得ています。)。
お題が発表された頃はまだ夏ではありませんでした。筆者は日々終電時刻との戦いを繰り返しており、時間も遅く始発電車で座れるので、作中の主人公よろしく大体は座席の端で座って寝て帰る日々でしたが、お題が『地下鉄に乗って』とのことなので、その日は寝ないで周りを観察しておりました。
突如として現れた都心の中の廃墟感に胸が踊りました。いつもは地下鉄独特のどこか時代に取り残されたような煤けた姿を見せていたホームは、非常口の光と火災報知器の光以外の照明は落ち、そこに異世界が存在しているようでした。そこがこの物語の入り口だったのです。
そうです。作中の主人公はまさに私なのです。
是非みなさんも終電の地下鉄に乗って郊外へ旅立ってみてはいかがでしょうか。いい発見があるかもしれません。
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