第1章
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夏休みに入ったばかりの海水浴場は朝から多くの人で賑わっていた。カップル、友達同士や家族連れ……みんなそれぞれに夏の海を満喫しているようだ。 そんな中、僕――野瀬直澄と中学時代からの友人で現クラスメイトの及川政也は、海の家の食堂の隅っこで景気の悪い顔を突き合わせてアイスコーヒーを啜っていた。 「くっそ~……全敗かよ……」 ストローの先を噛みながら呻く政也に、僕も重たい溜め息を吐いてしまう。
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