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「…んっ」
けたたましく鳴るスマホの着信音。
だるい体を無理やり起こしてスマホを手に取る。
「あ、樹…」
あたしいつの間にか寝てたんだ。
気づけばスマホの時計は21時をすぎていた。
「もし、もし」
熱が出ているのか意識が朦朧としてうまく話せない。
『瑠璃?』
スマホからは大好きな人の声。
普段家が近すぎて電話をする必要がないからここから声を聞いたのは何度目だろう。
「いつ、き…」
『お前もしかして具合悪い?』
「そ、かも」
整わない息を整わせながら答える。
『今日もおばさん遅いんだろ?』
「ん」
『待ってろ』
そのまま電話は切れて〝ツーツーツー〟という無機質の音に変わる。
「くる、のか」
重い体を引きずりながらベッドに座る。
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