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「おい、寝てろよ。座ってないで」
いつの間にかあたしの部屋に来ていた樹によってベッドに寝かされる。
「いつき…きてくれたんだね」
少し冷たい樹の手が気持ちよくて、頬にもっていく。
「なにしてんだよ」
「きもちーから…」
「まったく。なんか食べれるか?」
こういう時の樹はいつも頼りになる。
いつもあたしに起こしてもらってる樹とは大違い。
普段は基本的に無気力だし適当なのに、こういうときはまったく別人になるんだ。
「たべれないかな…」
「そっか。じゃあま、いっか。とりあえず横になっとけ」
樹が布団を直してくれる。
「手、離さないでね」
普段なら言えないようなことも今日ならいえる。
今日なら言っても大丈夫ような気がする。
「瑠璃、お前の好きなやつ」
「え?」
「分かったかもしれない」
そんなことを言いながらおでこにふれる。
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