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その名声は、次第に高まっていき信頼の出来る仲間たちも集まってきた。
時に笑い涙し、悲しい別れも幾度となく経験することになる。
そして多くの犠牲を払い、遂に竜之慎たちは魔王のいる城までたどり着いた。
魔王城の周囲には、総勢五十名を超える強力な仲間たちや冒険者が集っていた。
「漸くここまで来ることができた。これでメーナス殿との約束を果たすことが出来る。待っていてください、舞姫様。」
竜之慎は、『暁』と『月光』を握りしめると力強い目で魔王城を睨み付けていた。
「そう気負いすぎるな。本番までに体力がもたなくなるぞ。」
「そうよ、竜之慎。今は目の前のことに集中しないと、これまでの相手とは訳が違うのだから。」
仲間たちの忠告に深呼吸をする竜之慎。
「すまなかった。もう大丈夫だ。よしみんな決着をつけにいくぞ!」
竜之慎たちは魔王城へと駆け出す。
「そっちに魔物が向かったぞ!」
「ここは俺たちが食い止める。竜之慎殿は魔王を頼む!」
「すまない、ここは任せた!」
竜之慎は冒険者たちに後詰めを頼むと、一路魔王の元へと向かう。
「そこまでだ!」
「ここから先へは行かせるわけにはいきませんねえ。」
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