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魔王は魔力高めると、全方位に攻撃魔法を放ち始める。
「エリーゼ!」
竜之慎はエリーゼを庇うために前に立つと、魔力を放出して攻撃を受け止めようとした。
ドーーン!
煙が晴れた後には、膝をついた竜之慎と間一髪で結界を張りダメージを弱らせることのできたエリーゼが肩で息をしていた。
「ごめんなさい竜之慎。私足手まといで。」
「そんな事ない。エリーゼが後ろにいるから、俺はアイツに立ち向かうことが出来るんだ。」
竜之慎はエリーゼに笑いかけると、魔王に向き直る。
(お願い! どうか竜之慎に力を!)
エリーゼが祈る姿勢を取るとそう懇願した。
その時、エリーゼの体が光輝くと体から宝玉が飛び出してくる。
それは、かつて竜之慎と共に戦うと誓い合ったときに、竜之慎の異能によってエリーゼの体に吸収されたものだった。
そして、六魔将軍たちと戦っている仲間たちの方からも宝玉が魔王の間へと飛び込んでくる。
八つの宝玉が揃うと光は一層強まり、宝玉が魔王の体へと飛んでいく。
バリーン!
魔王の張った結界を容易く砕くと、宝玉は魔王の体へと吸収されていく。
「な、なんだこれは? 力が・・・力が抜けていく。」
魔王の圧力が明らかに弱まっていくのを感じた竜之慎は、勝負を決める決意をする。
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