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皆様、ご機嫌麗しゅう。
わたくし、『夢アリス』を給わりまして、皆様を華麗に演出致します。
『夢アリス』は謂わば、監修のようなもの。
今までにあなた方、『夢見人』様方を一番輝かせてきた『夢住人』に与えられる称号。
皆様は『夢』をご覧になられますか?
大概の方が見ても覚えていらっしゃらないでしょう。
しかしそれでも、心に残るワンシーンがございませんでしたか?
そう、それを演出し続けた『夢住人』がわたくし、『夢アリス』なのです。
あなた方は夢を見、あなたの夢の主人公を演ずる『夢見人』。
わたくしたち『夢住人』は、そんなあなたの夢を彩る配役なのです。
わたくしたちには名前はありません。
あなたの『夢舞台』でのみ、役名を与えられ、演ずることを許されるのです。
……この夢世界には『夢守人』もおります。あなたの夢舞台を警護するものたち。
しかしながら彼らは『咎人』、罪人なのです。
『夢住人』としての役割を放棄した重罪人。だから、彼らには主役であるあなたと関わりある役には二度とつけません。
あなたの『隣』に立てる大役を与えられたのに、なんという大罪を侵したことでしょう。
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