Summer Song。 【雛人&友利】

友利先輩と俺の友人

俺の手を軽く引いた友利先輩は俺をじっと見上げ見つめ見ていた。

友利先輩は俺よりも背が低いので俺と目を合わせようとすると必然的に俺を見上げる形となってしまう。
それを友利先輩はどう思っているのかを俺は知らない。

本音を言うと俺は友利先輩に悔しいとか思っていて欲しい。

年下の俺に負けて悔しい・・・って。

「うん。雛人が言うように俺は馬鹿だよ？」

春はそう言うとまたニコリと微笑んだ。
春のそれに友利先輩はただ、瞬いた。

友利先輩はまだよく春のことを知らない。

春のその器はデカい。

春は『馬鹿』とどんなに酷く自分のことを言われてもキレることがない。

春は自分のことでは決してキレない。

温厚馬鹿な春をキレさせるには春の大事なモノを傷付けるより他にない。

まあそんなことしたら春に何されるかわかったもんじゃないけれど・・・。

善良な人間ほどキレたときはヤバい・・・。