お仕事

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翌朝お爺ちゃんが支払いにやってきて、マキは受け取れないような気分ではあったが、初仕事だから御祝儀弾むと料金以外にも包んで下さり、余計に恐縮してしまっていたが、またマイ事務所へと明るく通勤電車に乗り2日目がスタートしていた。初仕事成功で、多少の不安はあったが、勇気が持てた。しかし、また仕事の電話がメールが入らないのだ。またウトウトしてしまうマキだった。夢の中では仕事に追われていた。次はやはり愛犬捜索だった。しかし苦戦していた。なかなか見つからなくて、どうしたら良いものかと、しまいにはウーンと唸るマキだった。しかし、その時にスマホの電話の音が鳴り響き、飛び起きた。「もしもし、スミマセン。ワンチャンまだみつかりません。」完全に寝ぼけてしまっていた。相手は「イヤ、犬じゃなくて、あっ、私は今、入口ドア前にいます。」マキは焦りドアを開けた。「申し訳ありません。失礼致しました。どうぞお入りくださいませ。」と言いながらも髪には寝癖を付けたままで、何とも自然体のマキであった。初めましての挨拶から始まり、詳細に相手側の依頼を聞くことに。先程まで居眠りしていたソファに依頼者を座らせ、話し始めた。次は犬と思い込んでしまっていたマキだったが、相手は「実は私は結構な年齢なのですが、結婚しない事と秘書が男性もいて、若くてイケメンで、怪しいんじゃないかと変な噂を立てられてしまっていて、悩みなんです。それで一ヶ月後には海外支社転勤が決まっていて、つまり支社長になるわけですが、まあ親父の会社なもんで、世間体を気にしていて、東京で婚約式を挙げて海外というのはパリなんですが、あちらで挙式という事にしてなんですが、私は仕事人間で交際している女性がいなくて、あなたに代理婚約者になって頂きたいのです。親族と社員や友人達を招待してのホテルでのパーティーで、別に入籍するとかではないので頼まれて頂けませんか。
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