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 高校三年生になり、海斗も同じ高校に入学した。  クラス替えもあり、新しい雰囲気に慣れ始めた五月。隆一に呼び出され、凍夜と海斗はたまり場へと足を運ぶ。 「どうした? わざわざ呼びつけるなんて」 「お前達だけに聞いて欲しいんだ。実は、同じクラスの朝日って女に惚れた。なんか他の女とは違う匂いがするんだよ」  清々しいほどハッキリと言う隆一に向かって、海斗が嬉しそうに頬を緩ませた。 「本当ですか!? 隆一さんを惚れさせた人か……見てみたいな」 「朝日と遊ぶ約束をしたから、海斗と凍夜も一緒に遊ぼうぜ」 「やったー!」  楽しそうに話す二人の横で、凍夜だけは俯いて声を出さない。 「凍夜、どうしたんだ? 俺が女に惚れたら変か?」 「そんな事は無い。喜ばしい事だが、一つ質問していいか? 確か隆一のクラスの英二が、その朝日って子と仲が良かったはずだが」 「そうだな。英二も一緒に遊ぶ約束をしてるぞ」  隆一に寄って来るのは喧嘩に強い男を自慢したいだけの、ちょっとした悪に憧れる女ばかり。それに比べて、朝日は父親が財界の有名人で、住む世界が違う大金持ちのお嬢様。タイプの違う清楚な女に惹かれるのも無理はない。  それだけなら良いのだが、凍夜は昨年同じクラスだった英二が気に入らなかった。隆一とは正反対の男で、本当の顔を表に出さない。何度か遊びに誘われたが、凍夜は全て断っていた。
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