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「じゃあなんで?」
「……こんなんせなやっていけへんねん」
「先輩……でもあれは、決して先輩のせいやないんですよ?」
「……周りは、そう言うけど俺からしたらあれは、俺のせいや。俺があいつの本当の気持ちに気づいていれば……今頃こんな事には……」
「……………………………………」
「それにこうしたらよう分かんねん、あいつが最期に感じた痛みも感情も何もかもが……」
「……でもそんなの望んでないと思いますよ」
「そんなのお前に言われんでも分かってるわ!」
しつこく言ってくる伊川に我慢出来ずおもわず声を荒げると驚きながら身体をビクッとさせると伊川は、少し俯き黙り込んだ。
「……すまん」
すぐ冷静さを取り戻すと申し訳なく、声を荒げてしまった事に腕で顔を覆いながら一言謝った。
「良いんです。俺もちょっとしつこく言い過ぎた所あったんで……」
「………………………………」
「あーそうだ、もう身体の調子が良ければ退院出来るってさっき先生が言うてました。だから兄さんが気持ちの整理と心が落ち着いたら退院の準備して下さいって」
そう言ってじゃあ俺は会社に戻らないといけないんで、これで失礼しますと一言告げると自分の荷物を持って病室を出ていった。
「……………………………………」
一人になると横になったまま自分の顔に手を持っていき、頭を抱える
「ほんま何してんねん……」
小さく呟いた後枕に拳を叩き付けた。
自分が情けなくて言葉に出来ない感情をまるで出すように……
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