31人が本棚に入れています
本棚に追加
なんだか友達みたいに話せたのが嬉しくて、家に帰る途中、はりきって自分用のスケッチブックを買う。
真っ白な紙のスケッチブックもあったけれど、なんとなく彼と同じ生成りの紙を選ぶ。
それと、あまり白すぎると、色を塗るのに躊躇しそうな気がした。
念のため二冊買ったのは、上手くかけなくて途中で棄てても、すぐに紙がなくなることはないと思ってのことだ。
帰りは徒歩で、しかもスーパーで立ち読みなんかしたからだろう。家に帰ると十九時を過ぎていた。
まだ母親は帰っていない。
きっと今日も二十二時すぎに、ほんの少しお酒の匂いをさせて帰ってくるのだろう。
もう六年くらい、ずっとこんな調子だ。
適当にごはんを食べ、シャワーを浴びて、海辺にいて砂だらけになっただろう髪を洗う。
最初のコメントを投稿しよう!