2.海の絵

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 なんだか友達みたいに話せたのが嬉しくて、家に帰る途中、はりきって自分用のスケッチブックを買う。  真っ白な紙のスケッチブックもあったけれど、なんとなく彼と同じ生成りの紙を選ぶ。  それと、あまり白すぎると、色を塗るのに躊躇しそうな気がした。  念のため二冊買ったのは、上手くかけなくて途中で棄てても、すぐに紙がなくなることはないと思ってのことだ。  帰りは徒歩で、しかもスーパーで立ち読みなんかしたからだろう。家に帰ると十九時を過ぎていた。  まだ母親は帰っていない。  きっと今日も二十二時すぎに、ほんの少しお酒の匂いをさせて帰ってくるのだろう。  もう六年くらい、ずっとこんな調子だ。  適当にごはんを食べ、シャワーを浴びて、海辺にいて砂だらけになっただろう髪を洗う。
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