1.再会

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 いくらなんでも、穴だらけの言い訳だったかなと、内心で思う。  しかし歌子はは上手く曲解してくれた。 「なーんだ、せっかく真奈にも春が来たのかと思ったのに。 野村君、わりと可愛い顔してる方だし」  歌子は恋愛話が大好きだ。  現在彼女がご執心なのが、一目ぼれから始まるドラマだったせいもあって、こんな絡み方をしたのだろう。 「私じゃ相手に迷惑だよ。それよりさ、課題どこまで進んだ?」  そんな意味で彼の顔を確認したかったわけじゃないので、早く話を終わらせようとした。歌子はそれに乗ってくれた。 「ん、半分ぐらいは色つけ終わったかな。真奈は?」 「……まだ」 「まだって?」  自分で話題を振ったはずなのに、非常に言いにくい。 「まだ、下書きしか、してない」 「えええええっ! ちょっと真奈、授業あと二回しかないよ? 何を描くのかは決めてるの?」 「いや……それが。いろいろ下書きはしたんだけど、決まらなくて」  私の返事を聞いて、歌子はため息をつく。
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