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「でも女の人を家まで連れてくるの? ちょっとその野村君に同情しそう」
「そうだよねぇ。
家に連れてきて顔を合わせて挨拶したと思ったら、また次の日には別な女の人が来るんだもん。
女嫌いにもなるわよね」
「女嫌いなんだ?」
歌子は「ああ、それは言い過ぎたかも」と多少訂正した。
「嫌いっていうより苦手みたいね。
前の中学校で、野村君に告白した子がいたんだけど、断り文句が『女は面倒だから嫌だ』って言われたらしいよ」
それじゃ本当に女嫌いなんだなと納得する。
そこで予鈴が鳴った。
話を中断して私達は教室へ駆け戻ろうとした。
教室へ飛び込む間際に、もう一度歌子が「ねぇ、家まで見に来る?」と言ったけれど、丁重にお断りした。
そして、自分一人でこっそり見に行くことにした。
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