エピローグ

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でも、その子が、ほんとは自分の子どもじゃない。 そのことを娘自身に指摘されたら……。 「はずみで、殺しちゃったんだね?」 そう。犯人は、咲良の父。南義行だ。 南さんは犯行を全部、みとめているという。 警察に連行されてからは、憑き物が落ちたように、ガックリしてるんだそうだ。 「悲しいね」 「ああ。悲しいな。きっと、南さんの心の内には、ずっと、くすぶってたものがあったんだろう。それが、あの瞬間に爆発したんだろうな。 可愛くて、愛しい娘。でも、憎くて。やりきれなかったんだろうな」 「うん」 思えば、絢子さんの口調が、なんとなく歯切れが悪かったのは、そのせいか。 もしかしたら、夫が娘を……と疑ってたんだろうな。 その原因が自分の浮気のせいなら……それも、やるせない。 「じゃあ、咲良さんの服をぬがせたのは、巫女が入れかわってたことを隠ぺいするため。もしかして、遺体は洞くつのなかまで運んだわけじゃないのかな?」 「だろうな。島のみんなは、ほこらと岩場の溝が通じてることを知ってる。 だったら、わざわざ、洞くつのなかまで運ばなくても、岩場の溝に入れとくほうが手間がかからない。     
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