それでも、海の碧み掛かった青さは変わらず美しかった。

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宮古島から更にフェリーに乗る。 移動だけで一日を費やした。 漸くたどり着いた、そこに静かに彼女は佇んでいた。 僅かに傾きかけた陽射し。 本当は二人で訪れるはずだった。 彼の浮気という有りがちな原因で別れることにならなければ。 ……なんて、くだらない理由。 初めての男ではなかったが、付き合いは長かった。いずれは結婚、という未来予想図を描いたこともある。ただ、いつの間にか惰性で付き合っていたようにも思う。 今となっては、別れる直前にも付き合い始めた頃と同じく心から愛していたかも分からない。その程度の男に二股を掛けられていたという事実がどうしても腹立たしかった。 溜まるだけ溜まっていた有給がとうとう上限オーバーとなり泡のように消えていく、という事にギリギリのところで気が付いて無理矢理五日間の連休をもぎ取った。 恋人はそんなには休めないと不機嫌そうに言い、何とか三泊四日で妥協したというのに。 こんな事なら、一週間でも十日でも無理言って取ってもっと滞在したら良かった。 彼女もまた、思い出して不機嫌そうに唇を尖らせた。
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