償い

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欲しい。 欲しかった。 もっと。 ずっと。 たくさん。 互いが互いの着衣をもどかしく剥がしていく。 彼の指と舌とが彼女を焦らす。 お願い。 早く。 奥まで。 貫いて。 懇願が言葉になり、漸く彼は望みを叶える。 「もう、姿を消すとか許さないから。ずっと、俺のものでいて」 求める言葉を彼女が口にするまで、彼は彼女を攻め続けた。 どうやって返事をしたかも分からない。 ただ、彼の攻めから漸く解放され、その攻め立てていた本人の甘いキスと「俺も君を離さない」と言う言葉だけが朧気に脳裏に焼き付いていた。
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