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呼応して俺もスピードを押し殺す。
「はぁはぁ……なんだよ、まだなんかあるのか?」
そして膝を押さえつつ、ライダーに視線をくれた。
「奴らの居場所、見当は付いてんのかよ?」
おもむろにフルフェイスを脱ぎ出すライダー。それは一弥だ。
「流石徘徊のプロ。だけど見当違い」
後ろに乗り込む奴が、トンと単車から降り立つ。そしてフルフェイスを脱ぎ捨てる。それは真優だ。いつものメガネはしてない。
「ケッ、なんだおめーら、深夜のドライブか。暢気な奴らだぜ」
俺は言い放つ。この女、メガネを外すとその見た目が変わる。澄んだ視線ってか、眼力がありすぎんだ。そのせいもあって、言い放つ嫌味も迫力を増す。
「暢気にドライブなんかするか」
一弥が言った。
「気にしないで、私は一弥に連絡受けて、これを運んできただけだから」
同調して真優が言った。それから察するに、あのあと一弥は真優に依頼してRSを届けてもらったようだ。
「ケッ、女のくせにそんな鉄の塊、転がしやがって」
一弥と真優の実家は、かなり近くにあるらしい。その繋がりもあってか、真優はこれぐらいの単車、軽く乗りこなせる。
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