27人が本棚に入れています
本棚に追加
娘を思い、作った人形に自然と術がかかってしまったのではないか?と、迷斎さんと土御門さんは同じ見解だったようです。
「でも迷斎さん。仮に泥人形だったとして、なぜ今夜の内に解決しなければならないのですか?それは、早いにこしたことはないけれど、あまりにも急というか……」
土御門さんからすべての話を聞き終えた後、迷斎さんは今夜、土御門さんの家で落ち合う約束をしていました。問題を早期に解決することは良いことなのでしょうが、土御門さんも大きな被害を受けている様子ではなかったし、あまりにも急な気が私はしていました。
それに、泥人形とわかっている割には、迷斎さんがこの件に絡もうとしていること、稀有なケースと言っていることにも、違和感を感じていました。
決して、他人のためには動かず、自分のためだけにしか行動しない迷斎さんがなぜ?
迷斎さんは、一言私に言いました。
「どちらにせよ、時間がないのだよ」
この時の私は、この話がこんな結末を迎えるとは、思ってもいませんでした。
最初のコメントを投稿しよう!