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まーくんは、今度は、真ん中よりやや左のマンションを眺める。
人が争っている。
男女だろうか。2人は立っていて、髪が長い方が、光るものを-包丁だろうか?-もう1人の背中に激しくおろしている。
視線を、一旦一番下におろして、階を数えながら上げていく。そして、左から、同じように数えていく。13階の左から18番目の部屋だろうか?
まだ、刺しているようだったが、刺されているらしい男は、床に崩れ落ちた。
立っていた男は、左右をキョロキョロすると、部屋を出て行った。
今日は、愛はおとなしいなぁとまーくんは思った。いつもなら、この時間、ワンワンと泣き出すのに。厄介だと思いつつ、親が帰ってくるまでは、しっかり愛の面倒をみようと思っている。お兄ちゃんだもの。
あとで、愛のミルクを作ろう。
まーくんは今度は左側の違う方向を見始める。住宅が、沢山立っている辺りの一件の家から煙が上がっている。誰も気付いていないらしい。やがて、炎が上がった。火災だ。まだ、炎は小さい。だが、たちまち火は広がっていくだろう。
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