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凌駕した存在だった。 人類の何十年、何百年も先を行くテクノロジーと知識を与えられた私は 彼らのために研究を続けた。……悪魔の研究の、数々を。 精神が磨り減りつつある私を慰めてくれたのが、今の妻だ。 同じように連れ去られた研究者である彼女と私はやがて愛し合うようになり、 誰も知らない研究所の奥でひっそりと結婚した。 「……おとうさん……」 ――そして、子をもうけたのだ。 後部座席で、おびえた顔をして助手席にしがみつく我が娘――ホオリを見て、 ようやく笑みを浮かべられた。ほんの少しだが。 「――すまない、ホオリ。怖がらせてしまったね」 踏み込みすぎて高鳴ったエンジン音が、ゆっくりとトーンダウンしていく。 その様子に娘の亜麻色の瞳が少し落ち着いたものに変わっていく。 「……本当にすまないな、ホオリ。おまえにはまともな生活をさせてやれなくて……」 「……ッ。お父さんたちのせいじゃ、ないよ……」 暗く目を伏せて、つぶやく愛娘を見て心が痛む。 彼女は、研究所で生まれた。それが長年諦めていた脱走計画を再燃させる きっかけでもある。 人々を襲い、その感情を奪う組織――"フェイスダウン"。その彼らがホオリに     
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