海の腕

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大学1年生の夏休み。 久々に実家に帰省した。 無性に釣りがしたくて、釣りが趣味の父に頼んで一緒に出掛けた。 ジリジリとした日射しに波止場のコンクリートの照り返しが強い。 釣果はまあまあ。やはり父の方が多く釣っている。 釣りに飽きて海岸沿いを散歩した。 砂浜に巨大クラゲが打ち上げられているのを発見した。 憎きクラゲ。 しかしもう命はないようだ。 なんだか哀れに感じ、木の棒で寄せて海に還そうと思った。 しかし巨大クラゲは砂に潜ろうとしているような重さでびくともしない。 一人で海に還すのは無理と判断し、諦めた。 ここで好奇心が芽生える。 クラゲってどんな感触なんだろう。 人差し指でつついてみる。 想像通り、ブニブニしている。 遠くから父が触るなよと声をかけてきた。 時すでに遅し。 指先がピリピリした。 海は私に教訓を植え付けた。
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