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天宮家の女王様の腹の子は
紛れもなく自分の子だと。
この世から勝手にいなくなるなら
墓場まで持っていけばいいことを
泣き言交じりつらつらと書き連ね。
時にはロシアの文豪を真似た文体で
時にはゲーテの詩を引用したりして。
遺書の封が絞まらないほど
とにかくたくさん書き残していったのだ。
その上
なお悪いことに――。
(大間抜けのトラブルメーカーめ……!)
ふやけきって緩んだ脳味噌さながら
己の首を吊るす結び目も緩かった。
で――結局どうなったかって?
気を失って床の上で伸びてるところを
遺書と一緒に発見されたのさ。
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