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「おい、なんで俺までここに呼ばれてるんだ?」
「さあ。僕らと相違点が見つからなかったんでしょう――天宮の兄弟だもの」
「チッ、ふざけるな」
完全に巻き込まれた形の薫と
傍目には無関係な末っ子の僕は
彼らから少し離れたソファーで成り行きを見守る。
「それで――あれは本当の事なの?」
すっかり紅茶が冷めた頃。
九条夫人が震える声で征司に向き直った。
「あれ?」
「だから拓海の遺書に書かれていたことよ!」
「いや、ちょっと待って下さい」
王様は肩をすくめると
「なぜ俺に聞くんです?」
もっともらしく聞き返すけれど。
そんなの分かってる。
ワンクッション置かないと
息子夫婦には怖くて聞けないんだ。
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