episode222 ゲームの代償

15/30
前へ
/30ページ
次へ
何を言うつもりか分からない。 ただあの人は僕に――己の手から逃げ出した僕に 復讐したいだけのような気もした。 「僕が説明します」 それを察して九条さんが口を割るが 「和樹です――あいつのせいです」 一足遅かった。 「和樹さん?」 「どうして彼が?」 ますます話が分からなくなった顔をして 九条のご両親はチラチラと僕を盗み見る。 「ほら、やっぱりおまえはあっちの席じゃないか」 「そんな……」 薫は冷たく言い放つと 僕の手を振り払い冷めた紅茶を口に運んだ。
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!

135人が本棚に入れています
本棚に追加