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「あいつが俺たち兄弟にとって――ひいては九条家にとってどんな存在かご存知ないでしょう」
まさかここに来て
九条さんと僕の関係を暴露するつもりか――。
征司が牽制するように言った。
「今和樹の話は関係ないだろう?」
昨日の今日だ。
九条さんの目が勝負事の前のようにきつくなる。
「関係ない?この期に及んでどの口が仰る」
からかうような征司の口振りは
「あいつが関係ないと言うのなら――どうして妹のお腹に宅の弟の子が宿るんだ?」
徐々に毒を孕み
「説明してみろ、お義兄様!」
ついには声を荒げてテーブルを叩いた。
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