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そうだあの日以来。
「あなたに関わるとロクなことがないもの」
僕は目の前にいる曲者の錬金術師
――椎名涼介と一切の連絡を絶っていた。
しかし――。
「危ないところを助けてもらったんだ。今回の事でおあいこに――」
椎名さんが何か言うより先に
「九条さん……」
シャワーから上がったばかりの九条さんが
窘めるように僕らの話に割って入った。
「さすがはお義兄様、話が分かる」
茶化しながらも椎名涼介の手が止まる。
「君の義兄にまでなった覚えはないよ」
それもそのはず。
欲望のまま事を終え
シャワーから上がった九条敬は。
今だ夢見心地な瞳
薔薇色の頬で白いガウンに身を包み――。
それはもう
誰だって見惚れるほど美しかった。
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