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「そしたらやっぱりお腹の子は拓海の子なの……?」
九条夫人がその場で崩れ落ちんばかり
ワンワンと泣き出すまで。
「いや、違うんです!そうじゃないっ……」
言ってしまったものの。
「だってそうなるじゃないの!」
僕は話を創る人間でもなければ
即興劇など無論専門分野ではないし。
「どうしようかな……ええと……」
このままじゃ
すべて嘘だとばれるのも時間の問題。
思った時だ――。
「僕も部屋にいました」
助け船を出したのは九条さんだった。
「……なんですって?」
「僕もベッドに」
「それじゃ何?……あなたたち弟の隣で?」
「いや……それは……」
「まさか、3人で……!」
「いや、ちょっと待って下さい……お父様!」
今にも沈みそうな助け船だけど。
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