episode222 ゲームの代償

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「どうしよう……大変だ……」 溜まりに溜まっていた 膿を押し出すように力一杯ぶつかりあう。 「薫お兄様、止めて下さい!」 「は?なんで俺が」 薄情な次兄に見放され 花壇の上に倒れ込んだ2人は今や泥だらけだ。 「とにかく……あの……」 外ばかり気になって仕方ない僕に代わって 「とにかくこの子の悪戯なんです。拓海さんはあの日一晩中バスルームで寝てたんです」 「バスルームですって?」 性悪女王が都合の良いように話しを作り変えてゆく。 「ええ、酔っていたので。だから私も敬さんも気がつかなくて――なのに和樹ったら悪魔みたいに『お腹の子は君の子供かもしれないよ』なんて拓海さんに吹き込んで――彼、可哀相にそれを真に受けて責任を感じたんですわ」
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