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まったく
口から出まかせ生まれたみたいな女だ。
「なんてことだ!そんな……」
「和樹さん、ひどいじゃないの!」
九条のご両親の僕を見る目。
「ええと……あの……」
似ても焼いても食えない
腐りきった林檎を見る目に似ている。
「ごめんなさい……」
僕は鼻の頭に皺をよせ
怒った犬みたいに貴恵を振り返るけれど。
「あの2人もこの子に騙された口ですわ」
「なっ……!」
庭先で暴れる男たちをちらと見やると
貴恵は身を震わせ恐ろしげに言った。
「あんたお兄様たちに何をしたの?この際だから正直に仰いよ――」
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