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「正気ですか……お姉様」
この女――言わせておけば。
自分の問題から目を逸らすため
僕を盾にしてに助かろうって腹だ。
「我が家に来た時からずっとそうですの」
忌々しい妾の子――と。
憎しみたっぷりの作り笑いを僕に向け
「とにかくトラブルの火種はみんなこの子が――」
いけしゃあしゃあと勝ち誇った顔。
「もうそろそろ本当に死人が出そうだな」
皮肉めかして薫が言った。
外ではまだ熾烈な争いが続いている。
「いいでしょう――」
たしかにそろそろ腹を決める時だ。
そう思って僕が九条のご両親に向き直った
――その時だった。
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