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「どうするも何も――」
言いながら九条さんは
ソファーに投げてあった上着から
おもむろに携帯電話を取り出した。
「この通りだ」
そこにはもう
日付も変わろうという時間にもかかわらず。
「そんな……」
九条家からの絶え間ない着信履歴が。
「てことは征司お兄様がもう……?」
全部ばらしてしまったのかもしれない。
九条さんは濡れた髪をかき上げ
溜息を一つ吐く。
と――。
「おっと、言ってる傍から――」
見計らったように
再び携帯電話が振動した。
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