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そうだ。
僕らがとんでもない一夜を過ごしていた
ちょうどその夜――。
九条拓海は自室で首を吊った。
もともと小心者の善人だ。
周りを巻き込み両親を欺いていることに耐えられなくなったんだ。
そして何より
自分が犯した過ちの尻拭いを優秀な兄が買って出たこと。
それが長年抱えていた
兄に対するコンプレックスを
彼の中で余計に肥大化させた。
堪えられないほどに――。
九条拓海は最後の最後まで
大間抜けのトラブルメーカーだった。
そして正真正銘の疫病神。
部屋にはご丁寧にも遺書が残されていた。
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