0人が本棚に入れています
本棚に追加
お骨納めまで終え、祖父が亡くなって数年後、私の心にはずっと祖父の延命を祈っていたことが心に引っかかってぃました。
ある月命日の前夜、見知らぬ人がたくさん出てくる夢をみました。
母の実家の仏間で黒の留袖を着た女性がニコニコとしています。
「……ちゃんは甘いものが好きだからねえ」
名前は聞き取れませんでしたが、女性の声でした。姿は見えませんでしたが、次に聞こえてきた言葉の声はわかりました。
「豆大福が食べたいなぁ……」
その言葉ははっきりと祖父の声で聞こえました。私は母に話し、その言葉を祖母に伝えてもらいました。
祖母は実は祖父の好物が豆大福なのだと驚きながらも仏壇にお供えをしてくれたそうです。
家に行ってもお菓子を食べているところをみたことがなかったので、祖父が甘党だとは知らず、私もおどろきました。
もしかしたら祖父はおこっていないよ、と。あの世で先に逝った家族に再会し、穏やかに暮らしていると私に伝えたかったでしょうか。
都合の良すぎる考えかもしれませんが……。
そして豆大福の件以来、祖父の夢は見なくなりました。
祖父が亡くなる前に聞いたハスキーな女の人の声は、ご先祖様の声だったのかもしれません。それか、守護霊様でしょうか。
残念なことに確かめるすべを私は持っておりません。
私にできることは、亡くなった祖父やご先祖様の冥福を祈ることです。
「神様、仏様、ご先祖様、ひいおばあちゃん、おじいちゃん。いつもお見守りくださりありがとうございます。今日を無事に過ごせたのはお見守り下さる皆様方のおかげです、ありがとうございます。また明日もよろしくお願いします」
そう祈り、私は今日も眠りにつきます。
最初のコメントを投稿しよう!