1章 私、怪物です。

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怪物少女は、当たり前のようにそこに存在している。 この社会の一員として、確実に。 『おはおっー。』とあくびをしながら教室に入る。 中にはクラスメイトが数人いて、皆思い思いのことをしていた。 「おはよー。あくびしながら挨拶すんなよっ。」 と声をかけてくれたのは沢田 レミ。気さくで元気がいい、私の良き友人だ。 『しゃーない、昨日寝れなかったし。』 嘘だ。怪物は寝れないというより、寝る必要がない。 「朝ごはん食べたか?」 『食べた食べた。トースト1枚だけねっ』 また嘘をついた。怪物は普通の食事は食べられない。食べると吐き気を催す。 たくさんの嘘が積み重なっていく。 けれど、その嘘は私を守ってくれてる。
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